🌳 森と人をつなぐサステナブルな食文化

日本では昔から、山に入り、シカやイノシシなどの野生動物を狩って食する文化がありました。しかし、狩猟者の減少やライフスタイルの変化により、“野生の恵みを食べる”という習慣は次第に遠のいてしまいました。
いま、岐阜では「ぎふジビエ」という形で、森の命を大切にいただく取り組みが広がっています。適切に処理された野生肉を安全でおいしく味わうことで、山の保全にもつながる——そんな“サステナブルな食文化”です。

🌳 「ぎふジビエ」とは?

ぎふジビエとは、岐阜県が定めた「ぎふジビエ衛生ガイドライン」に沿って処理された、岐阜県産のイノシシ・ニホンジカのお肉のことです。
「ジビエ」とは、天然の野生鳥獣の食肉を意味するフランス語。日本でも古くから「ぼたん(イノシシ肉)」や「もみじ(シカ肉)」として親しまれてきました。
クセが少なく、高たんぱく・低脂肪なジビエは、体にやさしいヘルシーフードとして、健康志向の方にもおすすめです。
「ぎふジビエ」を味わえるお店はこちら
👉 岐阜県公式サイト「ぎふジビエ登録店一覧」↗

ぎふジビエ衛生ガイドライン
岐阜県では県内で捕獲したイノシシやニホンジカを地域の資源としてとらえ、食用として有効に活用していくために「ぎふジビエ衛生ガイドライン」を平成25年11月1日に施行しました(令和7年3月最終改正)。
県ではこのガイドラインに沿って解体処理された安全で安心なイノシシやニホンジカの肉を「ぎふジビエ」として皆様にお届けする取組みを進めています。
【引用元】
岐阜県庁公式サイト:https://www.pref.gifu.lg.jp/page/13882.html#guide

🌳 ジビエとSDGsの関係

ジビエは、ただの“珍しい料理”ではありません。農作物への被害を防ぎ、里山の生態系を守るための大切な地域資源でもあります。
捕獲した野生動物を廃棄せずに「食材」として活かすことは、食品ロス削減や持続可能な地域づくりにもつながります。つまり、ジビエは自然との共生を考えるきっかけにもなります。
全国では農林水産省や地方自治体が連携し、「全国ジビエフェア」などを通じて普及を進めています。
岐阜の山々にも、未来につながる循環の芽が息づいています。


〜 編集部より 〜
今回の第3弾では、「山の恵みをいただく」というテーマから、自然と共に生きる知恵をお届けしました。“いただく”という言葉の奥には、命への感謝があります。
岐阜の森で育ったジビエを味わうことは、地域を守り未来へつなぐ一歩に。